パンのかけら

聖書のことばと短いおはなし

2023年7月16日(日) えん罪と証

そしてすっかり静かになったとき、ヘブル語で次のように語りかけた。使徒21・40

みなさんは無実の罪を着せられたらどう思いますか。反論したり、不平を言ったりしたくなるのではないでしょうか。もちろん、えん罪をそのままにするべきではありません。裁判の場で真実が明らかにされなければなりません。

パウロという人も、まったくのえん罪で捕まえられ、ユダヤ人たちにリンチを受け、エルサレムに暴動が起こっていました。理由は神殿の中に外国人を連れ込んだという疑いです。たしかに、エルサレムの神殿には外国人立ち入り禁止の区域があり、そこに外国人が入ることは御法度でした。ところが、パウロユダヤ人たちの神殿儀式に付き添うためにそこに入っていただけであり、神殿に外国人を連れ込んだというのは事実無根の言いがかりでした。

すぐにローマ軍の千人隊長が暴動を鎮圧しました。しかしユダヤ人たちは明確な罪状もないまま「パウロを殺せ!」と叫び続けます。イエスが十字架にかけられたのと同じようなできごとが起こります。しかしパウロは人々を制し、ユダヤ人のことばであるヘブル語で語りかけました。それはイエス・キリストのことを証するためでした。パウロは自分のことよりも、キリストを語ることを優先したのです。同じような生き方をした人々がいて、いまのキリスト教会があります。