パンのかけら

聖書のことばと短いおはなし

2024年1月21日(日) フェリクスへの証

しかし、パウロが正義と節制と来たるべきさばきについて論じたので、フェリクスは恐ろしくなり…使徒24・25

フェリクスはローマから派遣されてイスラエルを治めていた総督でした。もともと解放奴隷でしたが、暴力と賄賂で権力をつかみ、暴君と呼ばれたネロ皇帝に気に入られて総督の地位を手に入れたという人物でした。

ユダヤ人たちがいわれのないことで告訴したため、裁判の権限を持つフェリクスのもとにパウロが送られてきました。フェリクスはパウロの無罪に気付きましたが判決を延期します。パウロを勾留してキリスト教の話を聞くためと、パウロから解放と引き換えに賄賂を受け取るためです。

パウロはフェリクスに呼び出されても賄賂を送ることはしませんでした。むしろキリストの教えを語りました。フェリクスは正義と節制と来るべきさばきの話を聞いて恐れました。自分がどのようなことをしてきたのか自覚していたからです。生殺与奪の権限を持っているフェリクスよりも、無実の罪で勾留されているパウロの方がはるかに自由だったのです。