2024年2月18日(日) 何の罪もないまま
私は、ユダヤ人の律法に対しても、宮に対しても、カエサルにたいしても、何の罪も犯してはいません。使徒25・8
パウロは初期のキリスト教会の中で、特にユダヤ人以外の人たちにキリストの教えを布教したことで有名です。当時のユダヤ人たちから見ると、キリストの教えはユダヤ教の異端であり、敵でした。ユダヤ人の宗教指導者たちは、パウロがキリストの教えをトルコ、ギリシア地方に広めたことが許せませんでした。
パウロはまずユダヤ人の最高法院で吊し上げられ、次にユダヤ総督のもとで裁判を受け、カエサル(ローマ皇帝)に上訴することになります。前ユダヤ総督であったフェリクスも、後任者のフェストゥスも、パウロが無罪であると分かっていましたが、無罪判決を出すことはしませんでした。パウロを嫌うユダヤ人たちの中に暴動が起きそうだったからです。自分の任期中に問題を起こしたくなかったので、問題を先送りしたのでした。
パウロは冤罪で二年以上拘留されていました。しかし希望を失いませんでした。イエス・キリストに、ローマで教えを語るのだと言われたからです。自分の正当性を示すよりも、使命を果たすことを優先したのでした。