パンのかけら

聖書のことばと短いおはなし

2024年1月7日(日) 口先だけの信仰

この民は口先でわたしを敬うが、

その心はわたしから遠く離れている。

マタイ14・30

聖書には「父と母を敬え」という教えがあります。十戒と呼ばれる、大切な教えの一つです。このことばには、ただ精神的に敬うだけではなく、高齢になった両親を経済的にも支えて世話をするようにという意味があります。

親のためにお金を使いたくないという輩が聖書の時代のイスラエルにもいました。しかし、聖書の教えを破るのはまわりの目があってできない。そこで、聖書の学者たちは「自分の財産は神様のものです」と宣言していくらかの献金をすればよいという抜け道を編み出しました。「神様にささげた財産なので、親のためには使えない」という屁理屈です。

イエス・キリストは、聖書の教えを守って信心深いふりをしながら、実際には聖書の教えを自分たちの理屈で骨抜きにしている学者たちを「偽善者」と呼んで叱りました。聖書は規則やルールを教えているのではなく、わたしたちが幸せに生きる道を教えているのです。財産を神様にささげた人たちが歳をとったら、自分の子どもたちに同じことをされても文句は言えないのですから。