パンのかけら

聖書のことばと短いおはなし

2023年11月19日(日) 暴かれた陰謀

ところが、パウロの姉妹の息子がこの待ち伏せのことを耳にしたので、兵営に来て中に入り、そのことをパウロに知らせた。使徒23・16

聖書の中には、不思議な話や信じられないできごとが書かれています。処女マリアが聖霊によってキリストをみごもったことや、十字架で死に、墓に葬られたキリストが三日目によみがえらされたことなどはあり得ないと思われる方も多いでしょう。

しかし、実際には聖書の物語のほとんどは、超自然的な奇跡の話ではありません。上記のことばは、パウロという宣教師がユダヤ人たちに暗殺されそうになったときに、パウロの甥が暗殺計画を知らせたという記録です。この計画を知ったローマ軍の司令官(千人隊長)は、パウロをローマ総督のもとに護送し、暗殺から守ります。

神がパウロを助けてくれたと受け止めることもできます。でも神は奇跡を起こしたのではなく、パウロの甥の勇気ある行動でパウロが助かりました。キリスト教は神に丸投げする宗教ではありません。信者一人ひとりが神を信じ、正しい行動をとることで、神とともに世界を変えていく宗教なのです。